表参道駅周辺の不動産投資市況

銀座線、半蔵門線、千代田線と東京メトロ3路線が乗り入れている表参道駅周辺の街が「表参道」です。
地理的には西側を明治通り、東側を外苑西通りに挟まれており、行政区では港区と渋谷区に跨っています。住居表示では港区の北青山三丁目と南青山三~五丁目、渋谷区の神宮前三~五丁目の町域一円を指します。一般には「原宿から青山一帯が表参道」と言われています。
都心の高級住宅街として知られており、不動産投資やマンション経営においても非常に有望なエリアである表参道駅周辺の不動産市況について解説します。


洗練された雰囲気が漂う大人の街

表参道駅で交差する青山通りと「みゆき通り・表参道(表参道駅の東がみゆき通り、西が表参道)には、新参から古参までのハイファッション旗艦店やセレクトショップ、高級ブティック、有名レストランなどが建ち並ぶ高級ブランドが集まり、銀座と並ぶ「ハイファッション発信拠点」として知られています。
また、みゆき通り南側の通称「骨董通り」には骨董品店、古美術店、インテリアショップなどが集中し、「アンティークの聖地」とも呼ばれています。

表参道のランドマーク的存在が、2006年に開業した「表参道ヒルズ」と言えます。
表参道ヒルズは昭和初期の都会生活の情報発信地と言われた「同潤会青山アパート」跡地に建設された地下6階・地上6階建ての複合商業施設です。地下3階から地上3階までが国内外の有名専門店約100店が入居しているショッピングモールで、4階以上がマンションになっています。
全長約250mに達する建物のショッピングモール部分は吹き抜け構造になっており、吹き抜けの周りを表参道の傾斜に合わせた「スパイラルスロープ」と呼ばれる回廊式の緩やかな螺旋状通路が、各店舗を繋いでいます。これにより来館者は買い物やウィンドウショッピングがしやすくなっています。

ローティーンで賑わう原宿、ビジネスパーソンで賑わう渋谷などから至近距離にありながら、明治通りから一歩東側に入ると、そこは洗練された大人の雰囲気が漂う街。それが表参道の魅力と言われています。

生活サービス機能充実の住環境整備計画が進行中

表参道は青山通りを境に、神宮前と青山に大別されます。両方とも昔から都心の高級住宅地として知られてきた街の1つですが、そのうちの神宮前地区が変わろうとしています。
神宮前地区はファッショナブルな専門店が集まる「表参道」の南北に邸宅やマンションが建ち並ぶ高級住宅街が広がり、良好な住環境が保たれています。また、旧渋谷川沿いには若者向けの雑貨店やカフェが集まり、活気のある市街地を形成しています。
渋谷区はこうした神宮前地区の特性を生かし、「緑豊かで快適な都市型居住空間の創出」「ファッショナブルな生活文化の創造」「個性的で魅力的な街並みの形成」「災害に強い街」などを目指した「神宮前地区まちづくり計画」を進めています。かいつまんで言えば、「商業と住宅の共存による生活サービス機能の充実で、ファミリー世帯の定住増加を促す住環境の整備」が目的と言えるでしょう。

表参道は今後、ますます暮らしやすい都心の高級住宅街へ発展しそうです。

マンションの資産価値が下落しにくい街

東京メトロ3路線が利用できる交通アクセスの良さから、表参道はかねてから「職住近接と閑静な住環境を兼ね備えた街」として、特にファミリー層から高い支持を得ていると言われます。
青山通りを境に東西に展開している住宅街は、同じ高級住宅街ながらやや趣を異にしているようです。
東側の青山地区は江戸時代、大名下屋敷が連なっていた地域。その歴史的な関係もあるのか、広い敷地を鬱蒼とした生垣に囲まれた邸宅や、築年数の古い低層高級マンションが建ち並んでいるのが特徴と言えます。居住者も富裕層が大半と言われています。
西側の神宮前地区は1920年(大正9年)の明治神宮創建に伴い、その参道として整備された「表参道」の南北が住宅地として開発された地域です。戦前は丸の内や大手町の一流企業の管理職クラス、中堅官僚、文化人などが居を構えていたと言われます。現在は高級戸建て住宅や中高層の高級マンションが建ち並んでいるのが特徴と言えます。

賃貸マンションは青山地区では少なく、大半が神宮前地区に集中していると言われます。「職住近接と閑静な住環境」の魅力から、賃貸マンションも入居希望者が絶えないようです。しかし、用地取得が難しいことから新規供給が少なく、必然的に家賃も高めとなっています。
不動産情報サイト「HOME’S」の調査によれば、賃貸マンションの家賃相場はワンルームマンションが14.5万円、1DKが14.9万円、1LDKが25.8万円、2LDKが41.98万円などとなっており、家賃相場は渋谷より高めです。単身者向けもファミリー向けも高額所得者でないと、入居のハードルは高そうです。

換言すると、神宮前地区の賃貸マンションは需要に対して供給が少ないので満室経営ができる可能性が高く、入居者も高額所得者層が見込めるので家賃滞納などのリスクも少ない可能性が高いと言えそうです。
もう1つ注目すべきは、マンションの資産倍率を示す「マンションPBR」(※)の高さです。
東京カンテイの「マンションPBRランキング2014」(2014年7月発表)によると、表参道のマンションPBRは1.33で、2年連続で首都圏トップになっています。
このことは、表参道のマンションは売却時も価格が購入時より下落しにくいことを示しています。

※マンションPBRː新規分譲マンションを中古マンションとして売却する時に、売却価格が購入価格の何倍になっているかの指標。

したがって、神宮前地区の賃貸マンションは物件価格が高いのが難ですが、思い切って取得すれば高収入を確保できる可能性が高く、売却時も価格が落ちにくい可能性が高そうです。
長期的な資産形成と安定的な経営の両立を目指す投資家の方には、うってつけの街と言えるでしょう。物件価格も高額となることが多いため、資産設計に必要な融資をどのように確保するか、いかに好条件の融資を引き出すかといった点が重要となることでしょう。弊社の金融評価鑑定分析は、これまで積み重ねてきた多くの実績から目標に最適な投資戦略の策定と融資の確保が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。