学芸大学駅周辺の不動産投資市況

渋谷から東急東横線で4つ目の駅が学芸大学駅。その周辺の街が「学芸大学」です。
街は駒沢通り、目黒通り、環状七号線、駒沢通りと目黒通りを結ぶバス通りと4本の幹線道路で囲まれており、ほぼ正方形に近い地形になっているのが特徴と言えます。住居表示では鷹番1~3丁目と碑文谷5・6丁目の町域一円を指します。 目黒区内でも屈指の人気を誇る学芸大学駅周辺の不動産投資市況について解説します。


世代交代が繰り返される成熟した街

1927年(昭和2年)、「碑文谷駅」(1952年、現学芸大学駅に改称)が開業した当時は、駅周辺の田畑の合間に住宅がちらほら点在していただけと言われます。
やがて1936年(昭和11年)4月に東京青山師範学校(東京学芸大学前身の一校)が現港区青山から世田谷区下馬に移転・開校すると、碑文谷駅が同校の最寄り駅となった関係から、住宅地として発展したと言われています。

現在は東口と西口をはじめ6つの商店街(合計約600店)が街の東西に広がるなど、学芸大学は都内有数の商店街を形成する街になっています。学芸大学の商店街は単に数が多いだけではありません。この街の商店街にはブランド臭が漂うようなセレクトショップはなく、庶民的で個性的な商店が多いのが特徴と言われます。
例えばドイツワインの品揃えの豊富さでは都内随一との定評がある酒店、自家製が名物のかまぼこ専門店、一点ものを扱う眼鏡店など客足が絶えない老舗や名店が数多く見られます。その一方で、学芸大学駅の高架下に東京急行電鉄が開発した複合商業施設「GAKUDAI KOUKASHITA」には、スーパーマーケットの「東急ストア」など4施設からなっており、買物・飲食の利便性がますます向上しています。

精肉、鮮魚、干物、青果など食材中心の9店が入居する「学大市場」、バラエティ雑貨、住宅リフォーム用品、クリーニング店、リラクゼーションスタジオなど生活関連用品・サービス中心の7店が入居する「学大小路」、各種飲食店18店が入居する「学大横丁」など、魅力的な施設が集結しています。
地元不動産会社は「店が多くて買物に便利。店が多くて競争が激しいから物価が安い。だから目黒区内では暮らしやすい街だと思う」と言います。こうした駅周辺の賑やかな6つの商店街から一歩離れると、そこは閑静な住宅街。ハイソな雰囲気をたたえた住宅街と値段が安い庶民的な商店街が、何の違和感もなく調和しているのが学芸大学の魅力と言えそうです。

さらに住みやすい街を目指した「学大街づくり計画」が進行中

学芸大学はすでに都市基盤整備がある程度終了した街ですが、目黒区は新たに駅前の交通結節機能強化による電車・バス・タクシーの乗り換え利便性向上、駅、学校、区民センター、社会福祉施設、公園等の域内主要拠点を結ぶ歩道整備、住宅地の環境保全、住宅地の宅地細分化防止、閑静な住環境に合致した大型マンションの開発誘致などを目指した「学芸大学駅周辺地区整備構想」を2013年9月に策定。2023年までの事業開始を目途とする「学大街づくり計画」を現在進めています。
同計画により、目黒区は「駅周辺の賑わう商店街」、「住民の多くが魅力を感じる『緑の拠点としての碑文谷公園』」、「若者から高齢者までが住みたいと思う『緑豊かで閑静な住宅街』」の3者が一体化した「災害に強く犯罪のない安全・安心な街」とする学芸大学の将来像を明らかにしています。
これにより学芸大学は近い将来、現在よりさらに住みやすい街に発展しそうです。

若者から高齢者まで年代層の幅が広い住宅需要

学芸大学はハイソな雰囲気の住宅街でありながら買物・飲食施設が充実し、しかも物価が比較的安いところから、不動産関係者の間では「目黒区内で最も入居需要が高い街の1つ」として知られています。
それを裏付けるように、目黒区の資料によれば15~64歳の生産人口比率は目黒区内の平均より高く、特に25 歳から40 歳までの働き盛りの人口が多いのが特徴です。少子・高齢化社会の中で成熟した街が世代交代を促し、子供から高齢者まで共に幅広い世代が健康的に暮らせる環境が整っているようです。

また住宅地を概観すると、鷹番地区は賃貸マンション、アパート、小規模な一戸建て住宅が多い一般住宅地区、碑文谷地区は高級分譲マンションや邸宅が多い高級住宅地区に大別できそうです。特に碑文谷六丁目の碑文谷公園周辺は邸宅が並ぶ「お屋敷街」。低層の高級マンションや広い庭のある住居が建ち並び、並木に沿った生活道路はまっすぐに伸び、道幅もゆったりしています。

不動産情報サイト「HOME’S」の調査によれば、賃貸マンションの家賃相場はワンルームマンションが9.2万円、1DKが10.8万円、2DKが13.3万円、2LDKが20.8万円などとなっており、ワンルームクラスの家賃は街ランキング上位の中目黒より割安です。ファミリー向けの2DK/LDKクラスも立地、生活利便性、住環境などを総合的に見ると割安感がありそうです。
賃貸マンションの入居需要の多さに比べ物件供給数は少ないと言われ、最近は賃貸マンションの開発が活発化しているとも。このようなエリアで安定した収益を最大化するためには、地域に根ざした情報分析による適正賃料の設定と空室対策が欠かせません。将来性を視野に入れて学芸大学での投資を検討されている方は、不動産投資コンサルタントが的確なプロパティマネジメント提案をさせていただくアクティスコーポレーションまでお気軽にご相談ください。