新宿駅周辺の不動産投資市況

世界最大の乗降者数を誇る東京の西の玄関口、新宿駅。高層オフィスビル街、商業の中心地、歓楽街と、様々な側面を持つ新宿駅周辺のエリアの市況を解説します。


眠らない街、進化し続ける街 新宿

2013年に「利用者数が世界一の駅」とギネス世界記録に認定されたのが我が国最大のターミナル駅・新宿駅です。
同年の一日平均乗降者数は約335万人で、横浜市の人口に匹敵する規模。年間乗降客数に換算すると約12億人でインドの人口に匹敵する規模になります。新宿駅にはJR、小田急など5社12路線が乗り入れ、駅前からはバス59路線が発着。交通の要衝としても世界一の規模と見られています。 この新宿駅周辺の街(以下、新宿)は24時間活動している「眠らない街」としても有名です。

新宿は江戸時代に甲州街道の宿場町「内藤新宿」として栄え、それが新宿という地名の由来になっています。
現在の新宿が形成されたのは、1950年代以降のことです。
まず新宿駅東口エリアに丸井、小田急、京王などの百貨店が続々と進出、東口エリアが商業地として発展しました。
それとほぼ時期を同じくして東口エリア北側の歌舞伎町に映画館、大小の劇場、ジャズ喫茶、バーなどが集積しました。1956年には新宿コマ劇場が開業して大衆演劇のメッカとなり、歌舞伎町は娯楽・風俗・演劇などサブカルチャーの発信地として発展していきます。

1965年に淀橋浄水場が閉鎖されると、新宿駅西口エリアは「新宿副都心開発」の時代を迎えます。
1971年の京王プラザホテル本館を皮切りに、新宿住友ビル、KDDビル、新宿三井ビルなどの超高層ビルが浄水場跡地に建設されました。1991年に東京都庁舎が有楽町から西新宿に移転すると、新宿副都心開発が加速し、約40棟の超構造ビルが林立する現在のオフィス街が形成されました。
さらに2000年には都営地下鉄大江戸線が開通し、新宿エリアには都庁前駅、新宿西口駅、東新宿駅が設置され、都庁前駅を起点に都内をほぼ環状に走る都営地下鉄網が完成しました。2008年に開通した東京メトロ副都心線も新宿三丁目駅、東新宿駅を通り、地下鉄駅の拡充が進みました。
こうして新宿は多種多様な企業と人と文化が集まり、新たな経済と文化を創り出すわが国有数の街として世界的にも認知されています。

なお新宿では現在も「北新宿地区」と「西新宿五丁目地区」などで都市再開発事業が進行中で、新宿は「進化し続ける街」とも言われています。

不動産投資をするなら西新宿の賃貸マンション

新宿は「4つの顔を持つ」と言われています。エリアが新宿駅を中心に東西南北ときれいに分かれ、それぞれが異なった顔を持っているからです。

東新宿は百貨店、専門店、飲食店などが密集する商業エリアで、24時間人の波が途絶えることがない我が国一の繁華街となっています。
西新宿は副都心として大規模再開発が行われたエリアで、丸の内や大手町と並ぶ国内有数の巨大オフィス街となっています。
南新宿は、かつては入り組んだ路地に民家、旅館、商店などが混在する雑多なエリアでしたが、2000年頃から開始された再開発により「新宿タカシマヤ」をはじめとする大型百貨店、超高層オフィスビル、大型都市ホテルが集積するエリアに変わりました。現在は「オフィスビルと都市ホテルの街として発展しつつある」と言われています。
北新宿には世界的にも有名な歌舞伎町があります。現在の歌舞伎町は飲食店や風俗店が密集する世界有数の巨大歓楽街として知られています。近年は「歌舞伎町のシンボル」として親しまれた新宿コマ劇場やミラノ座が閉館、その跡地に新しい商業施設が開発され、さらに老朽化した雑居ビルが先進的なテナントビルに建て替えられるなど、街並みが変貌しつつあります。

こうした4つの顔を持つ新宿で、不動産投資先として有望なのが西新宿の賃貸マンションと言われています。

超高層オフィスビルが林立する「新宿オフィス街」は、新宿駅西口と新宿中央公園東側の間に広がる西新宿一丁目・二丁目・六丁目のエリアに形成されています。
そこで新宿中央公園西側の西新宿四丁目・五丁目、ならびに新宿オフィス街の南側で文化女子大学や文化服装学院などの教育施設が点在する代々木二・三丁目を中心に、近年は分譲マンションや賃貸マンションが増加し続けていると言われます。新宿オフィス街、東新宿・南新宿の商業施設などに勤務する人たちの入居目当てのマンションも少なくないようです。不動産業界関係者の間では、一帯を「都市型ビジネスパーソンの居住地」といった位置づけもされています。
立地的にも入居者には魅力的です。いずれもオフィスや商業施設への通勤なら遠くても徒歩30分圏内。自転車通勤なら10分程度です。丸の内、渋谷など都内の主要オフィス街へも電車なら20分以内で通勤できます。

新宿と言うと、イメージ的に家賃が高そうですが、都内では手頃価格と言われる東京・芝浦と同等なので、交通の利便性や生活の便利さを考えると割安感があるのもアピール材料になりそうです。

実際、不動産投資情報サイト「HOME’S」の調査によれば、新宿の賃貸マンションの家賃相場はワンルームマンションが10.5万円、1DKが11.6万円、1LDK17.9万円、2LDKが31.0万円などとなっています。同調査による芝浦の賃貸マンション家賃相場はワンルームマンションが10.6万円、1DKが12.8万円、1LDKが18.9万円、2LDKが26.9万円などとなっているので、都心という立地で判断すると 価格の手頃さがうなずけるでしょう。
入居需要が最も多いワンルームマンションの場合、新宿の家賃相場10.5万円は近隣の原宿(12.6万円)や代々木(10.8万円)と比べても割安です。

西新宿は今後、小田急電鉄が新宿駅西口駅前エリアの新たな再開発を計画中と言われています。

このように「進化し続ける街・新宿」において収益物件を検討する際は、街の将来像を見据えた緻密なエリアマーケティングに基づいた適切な物件選定が重要となるでしょう。弊社ではエリアごとのトレンド分析を入念に行い、適正な賃料で入居者募集を心がけることにより高い収益性を実現しています。新宿のような今後の動向が注目されるエリアでこそ、地道な情報収集とエリア分析に基づく論理的な不動産投資戦略が確かな成果に繋がるものと思われます。